歯医者のようにちまちまと働く -なぜ歯医者さんは一気に治療せず、何度も患者にちまちまと通院させるのか?
そろそろ歯医者に行かないといけないと思っています。
昔から、なぜ歯医者さんは一気に治療せず、一回当たり30分、というように、何度も患者にちまちまと通院させるのか、という憤りを感じていました。
この度、インターネットでいろいろ情報収集してみておおよそその理由がわかってきました。
制約がある
一つは保険の縛りというのがあることがわかりました。
保険の縛り
医療保険抑制の目的で、一人の患者に平均より多額の診療点数を1月に求めるような治療は出来ないようです。
一気に出来ることは限られるということ
調べてわかったことのもう一つは、一気に治療は出来ないということです。
待ち時間が必要
例えば歯を削るとしても、詰め物やブリッジが必要で、歯を抜くなら入れ歯が必要です。それらを作る時間が必要で、一気に歯を削るところから被せるというところまで1日で仕上げるということは物理的に無理なようです。
また、口腔の治癒が必要でもあり、一気に治療というのは出来ないようです。
様子見が必要
一気に出来ることが限られることのもう一つとしては、様子見が必要だということです。歯を削れば、二度とその削った部分は戻りません。かみ合わせがあるので、身長に削る必要があります。また、経過観察をしながら治療をしないと、また一からやり直し、ということもあるようです。
歯科医院経営上の都合で、薄く広く患者を抱える必要がある
これはなんとなく以前から理解していたことですが、1回あたりの時間を短くし患者をたくさん抱える方が医院経営上都合が良いようです。
キャンセルリスク
突然患者がキャンセルしてくるリスクがあります。1回あたりの時間が長いと、このキャンセルの埋め合わせが大変です。3時間の予定をしていた患者がキャンセルをしてきたら、歯科医は3時間もてあましてしまいます。これが1回30分であれば他の患者の治療を長めにするなどして埋め合わせが出来てしまいます。
予約の問題
1回あたり数時間ですと、予約がしづらくなります。一回数時間取る必要が出てくるうえ、空いている時間とのマッチングがしづらくなります。歯医者に通う往復の時間も入れると、長い間空ける必要があります。これが1回30分であれば、予約が取りやすくなります。
患者の心が折れにくい
もう一つ、これは結構大きなことだと思いますが、治療には苦痛を伴います。1回あたりの治療が長ければ、患者の心は折れやすくなると思います。一方で、1回あたり30分であれば、30分だけ我慢すればよいので、患者への負担が減ります。
以上のように、歯医者がなぜ一気に治療してくれないのか、ということを見てきましたが、どのような仕事(またはプロジェクト)でも歯医者のように進めるのが良いように思います。
歯医者のようにちまちまと働く
仕事においても、どうしても待ち時間(他人のアクションを待っている時間や、イベントが発生するまでの時間)は発生します。頻繁に他人の依頼や確認が必要です。
また、様子見も必要です。上司やお客様が別のことを言い出せば一からやることになるかも知れませんし、ゴールも変更されるかも知れません。
歯医者のキャンセルのように、会議がキャンセルされたり、何かのトラブル(機材や交通機関の麻痺など)でその日に仕事が出来ないということも起こります。また、まとめてやるを意識すると、まとまった時間が取れなければその仕事は滞ります。
さらに、仕事の場合は自分、ということになるのですが、一気に仕上げてしまうことで燃え尽き症候群のようにもなってしまうのです。
歯医者がたくさんの患者を1回あたり30分のように、ちまちまと治療するように、私たちもいろいろな種類の仕事やプロジェクトを1回あたり短い時間でちまちまとする方が良いような気がするのです。